生誕300年記念・若冲展

目の前で堪能してきました、若冲の絵の数々。
いま、すっごく豊かな気分でホテルのベッドにいます。

きっとコインロッカー探す時間も惜しいだろうからと、会社に行くのと同じリュックとサブバッグだけの智さんばりの軽装備で臨んだ今回。
新幹線の中で早めにお昼ご飯食べてトイレも済ませて、
12時半に上野恩賜公園に着いた時点で、待ち時間は240分。
ま、最初から4時間ってわかってると気分的にラクだよね、東京ドームのグッズでゴールが見えないまま6時間ってのを経験してるからさぁ(←…)
お天気も曇りで凌ぎやすかったのもラッキーだった。iPhoneの音楽をシャッフル再生しながらの4時間。そうは言ってもちょっと早く入れるんじゃない?なんて思ってたけど、チケットもぎって貰って最初の絵に出会えたのが4時半すぎ。きっちり4時間。プロのデータに間違いはないんすね。

千載具眼の徒を竢つ(私の絵は千年後に理解される)と若冲は遺しているけど、たった300年で…没後だと215年か…こんなにもたくさんの人が貴方の作品を観るために列を成しているのを彼岸から見たらどう思うのかな。

中に入ってもすごい混雑で、いろんな人がいろんなこと言いながらギュウギュウ詰めで観ていて、
なるべく愚痴っぽい批判や知ったかぶりの批評をする人からは離れて、純粋に感激している人のそばで鑑賞してきたよ。

巻き物にずらりと野菜や果物、動物が描き連ねてある作品は細密な中にひょこっとかわいらしいタッチの蛙がいたりして、緩急自在。
旭日鳳凰図のあでやかなこと…白にブルー系のと、茶にグリーン系の2羽の鳳凰が艶めかしくも気高くてすごく好きだった。ブルーがね、すっごく綺麗な色なの。
孔雀鳳凰図も、高校生の女の子が「羽がね、羽!って感じ。ふわっふわ」って言ってたの、わかるわかる!
たまたま隣合わせた70代くらいのご婦人同士が「嵐のリーダーが…」「大野くんね」なんて会話されてるのも聞こえたりしたよ。
動植綵絵30幅と釈迦三尊像がぐるりと円形に展示された1階に足を踏み入れたときのうわーって感激。釈迦三尊像はねぇ、なんかシュール。お釈迦様なのにとぼけたチョロ髭のおっさんで、おっさんなのに爪が長くて指がほっそり色っぽい。でも、よく見たらやっぱりすんごい細かい。
そして、目の前で見て、作品集とかでは地味な印象だった梅の花がね、繊細な雄しべの一本一本の先に黄色い花粉が点々してあって、たまに水色のも混じってて。その顔料が立体的で、花灯りって言葉が浮かぶようで。何度も戻って眺めちゃった。
そして、東北には観に行けなかった鳥獣花木図屏風。見られて良かった。最初に2回、最後に戻ってきて3回目を観て、そのたびに新しい気づきがあって。実際に見たことある動物も、海の向こうの動物も、空想上の動物も、みんなが共存してる絵。キュートな人だったんだろうねって女の子の感想にほっこり。
いつか観に行きたいと思ってたMIHO ミュージアムの象と鯨の屏風にも会えて嬉しかった。
出口から引き返してもう一度最初から気になる作品を見返して、たまに感激して泣きそうになりながら、2時間半。込み合ってはいたけど満員電車みたいに押されながらも目の前で1つ1つ堪能できて幸せな時間だった。
来られて、良かった! 行ってくれば、と送り出してくれた旦那に感謝。
【2015年の今日はこんな日でした】