奈良さんアーティストトーク

27日に広島市現代美術館であった、奈良さんのアーティストトーク
10時からの整理券(先着140名)配布に向けて、8時半に到着した時点ですでに30人以上が並んでてビビったけど
なんとか会場で直接 奈良さんの言葉を聴くことができて良かった(〃u〃)
いつものとおりメモなんてとってないから、すごく断片的だけど、
思い出す限りの奈良さんの言葉と、わたしのキモチのランダム覚書。
やたらめったら長い、そして纏まってない^^ゞ

 
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★会場のお部屋は照明落として暗め。
ヒーリング系な女性ヴォーカルの曲に合わせて奈良さんが撮った写真のスライドショーが。
★現美スタッフさんから「本日は奈良の意向により照明を落としていますので足元にご注意ください」との案内。
漠然と、呼び方“奈良”なんだぁ〜対お客様でいうと奈良さんは美術館サイドの人間ってことなのかなぁ〜会社で外部の人に“奈良部長さん”じゃなくて“部長の奈良が…”って言うみたいな感覚?って思ってたんだけど。
そのスタッフさん、奈良さんとはドイツ時代に親交があったみたいで^^(奈良さん談)
ドイツに勉強しに行ってた学芸員さんがいるって、現美すごいんだな。
★奈良さん、マスクして登場。(花粉症なんだって)
背が高くて脚長くて、はにかんだ笑顔がTVや本のまんまだぁ☆*°って^^
★はずかしいんで暗くしてるけど、後半にノッてきたら徐々に明るくします、とのこと^^
★イベントのテーマは「イメージとしての言葉」。
でも「テーマなんてあってないようなもの」で(笑)奈良さん持参のPCをモニターに映し出して、そこにある写真を見ながらいろんなお話してくださったの。
★海外の子どものドキュメンタリー映画があまりに暗くなったので、途中にクッションとして挟み込むアニメーションを頼まれたそうで、その作品も見せてもらったの。
奈良さんの描くコたちが、むくぅ〜って動いてるぅ!(でも、やっぱり哀しい感じなんだけどね)
★会場からの質問にもたくさん答えてくださって、1時間半の予定が2時間に…でも、それでもあっという間だったなぁ。



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広島市現代美術館のために描いた「Girl meets Boy」。

 *写真は昨年のコレクション展のポスターを撮ったもの
この“Boy”って、広島に投下された原子爆弾(Mk-1核爆弾)の通称・リトルボーイを意味してるんだって。
赤い右目は原爆の炎を、蒼い左目はヒロシマの未来を、見ているイメージなのだそう。
昨秋、ずっとこの絵に惹かれて見ていたのに、そんなこと思ってもみなかった自分は浅はかだったなぁって衝撃受けたよ。
奈良さん、「久しぶりに見たけど、これ、すごくいい絵だなぁと思った」っておっしゃってた^^
★奈良さんのPCのファイルには、作品ができあがるまでの過程を撮影した写真がいっぱい。
智さんとおんなじだぁ^^って嬉しくなる。
描き始めはなにも考えずに、後で消してしまうことわかってて描くんだって。
で、そういうときがいちばん楽しい時間なんだって。
髪型や表情、時には顔の向きまで、どんどんどんどん変わっていくのね。
★観る人は、顔の表情とかに注目しがちけど、実は奈良さんが気にするところって、背景の色彩のバランスだったりするんだって。
★たくさんの絵の具を見てるのは楽しいけど、実際に使うのは数色。
★作業場の環境ってすごく大事。
パレットを作品の左下に置くと、パレットに広げてる青い色は自然と作品の左上の方に塗るようになるんだって。
★高1か高2のときに描いたっていう、北斎三国志の挿絵を模写したものも見せてもらったの。
細密で、まさに「北斎による三国志!」って絵。すごかった!
「下手な絵しか描けないって思われてるけど、こういうのもちゃんと描けるんですよね」。
★もうひとつ、眼鏡かけた宮崎あおいちゃんの写真見て描いた絵も見せてもらったv
あおいちゃんのこと好ましく思ってるのが、すーごく伝わってくるかわいい絵だったの^^
「こういうのは、人には見せずに自分だけで楽しんでるの」←奈良さんってば!
★青森の犬のモニュメントのためのイメージ画と模型も。
最初のイメージでは、両前足と胴体の途中が地面についてる〜後ろ足はまだ見えてなくて、発掘途中ってカンジ?
最初は地表に頭のてっぺんだけが覗いてて、なんだろうって掘ってみたら犬が埋まってた、みたいなイメージだったんだって。
で、途中、「コレは絶対創らないだろうなってわかってるんだけど、こういう模型も作ってみるの」…上体起こして両手を広げてる犬(手の先と胴体の下半分は地面に埋まったまま)。
なんで創んないかというと、左右の手と胴体それぞれが3面と接してるからその3点全てをきちんとまっすぐにしようと思うと難しい、最初の構図だと、両手と胴体の3点ともに同じ面についてるから創りやすいって理由で、そこは気持ちじゃなくて技術的な視点で可否を考えるのがプロだなぁって思ったの。
★海外で撮った写真もたくさん見せてもらったの。
アジアを中心とした子どもたちや、猫、風景…etc,
「いろんなとこで写真撮るけど、いつもなんか寄って撮ってしまうんで、どこで撮ったのかあんま写真から伝わらないのが多いんだよね」。
★「この男の子なんかは、嵐の二宮くんに似てるでしょ(笑)」
10歳くらいの、ざんぎり頭の男の子。うん、似てる似てる―^^
★そうそう! にこやかにトラに触ってる奈良さん(しかも周りにトラ4頭!)の写真も!
頭にタオル巻いて、まるで雅紀みたいだった―!
「ネコが好きなんで、なんかネコ科は大丈夫かなって^^」。
★猫好きなのに作品は犬が多いのはなぜですか?って質問。
「ネコはねぇ、写真に撮った時点で満足しちゃうの。なんだろう、好きだからあまり人にはみせたくないっていうのもあるのかなぁ? うーん…」
★BGMはかけながら作品を創るんですか?って質問。
かけるけど、オートリピートじゃなくて、終わったら自分でリピートしにいく。いちばんイイのは、終わったことにも気づかないくらい集中してる状態。
★キャンバスに向かうより、練習でそこらへんの段ボールや封筒なんかの、もともと捨ててあったもんを拾ってそこに描いてる時の方が気楽なぶん、自由にイイものが描ける気がする。
「Girl meets Boy」のための習作のひとつに封筒の裏に描いたものがあって、そこらへんのこと訊きたいけど手を挙げて質問する勇気がなかったから、たまたまこの話が聞けて良かったな^^



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今回の震災や、海外の震災支援のこともたくさんお話してくださったの。


★どこの災害の話だったか忘れちゃったんだけど、著名人が作品を出すプロジェクトで、出品者にはギャランティが払われるんだったんだけど、奈良さんは、それはおかしいと思ったから受け取らなかったそう。
★海外への支援で服とかを送っても、その土地の風習に合わない衣類は最終的に露店で売られちゃったりするので、あまり服とかは良くないんじゃないかな…って、服が売られてる風景の写真を見せながらお話されてた。
★奈良さんもかつて服を贈ったことがあるんだけど「ホラ、みんなあんま喜んでないでしょ?」って、奈良さんの真っ赤なTシャツを身体にあててビミョーな表情で写ってる人たちの写真を見せながら苦笑してた^^ゞ
★「ちょっとイイ話」。プーケット津波で、被災地にいろんなアーティストが作品を置いて復興を支援するっていうのがあって、その作品は1年経つと買われたり作者の元に戻ったりするんだけど、奈良さんの作品があった街の人たちが、この作品はもうこの街の風景のひとつだから撤去しないでくれって役場に嘆願したんだって。「だから、どうしますか?って訊かれたんで、そのまま置いてもらうことにしたの」。
★でも、このイイ話には続きがあって、そのうち、その作品の前に椅子とか置いて記念写真を撮って商売する人たちがでてきたんだって。 「でもまぁそれも、復興のひとつかなぁって…^^ゞ」。
★今回の東北沖大震災、那須から故郷に帰るときにいつも車で通ってた場所が被災して。
だから、いろいろ調べるしなにかしたいと思う。
海外での災害も、そこでお世話になったり知り合った人たちがいるから、
その人たちのために何かできないかと思うんだと思う・・・っておっしゃってた。


  
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★今回のトークイベント、奈良さんのPCがそのままモニターに映るから、なんだか奈良さんのヒミツをこっそり教えてもらってるみたいなどきどきもあり(← )
★デスクトップのアイコンに、なんだか「嵐」っぽいタイトルのファイルがあって、す―ごい気になってたんだけど、「嵐」ではなく「風」だった^^ゞ
なんか、目が悪い上に、台形シルエットの漢字を見ると「嵐」に見えてしまう習性が…^^ゞ
ちなみにその「風」のファイルの中身は、福島周辺からの風に乗って放射線がどう拡散する恐れがあるか、という海外調べのデータだったんだけどね^^ゞ
★最後の最後に、会場内の照明を明るくして、みんなの顔を見渡してくれたの。
で、「今日、誕生日の人!?」って訊いて(ひとり、いた!)シトロン(奈良さんの作品集とかが置いてあるじぞう通りのカフェ)の前で拾ったっていうブレスレット(かな?)を、その人にプレゼントして去っていったよ。
いいなぁ〜一生忘れられないお誕生日になるね^^
プレゼントが拾い物なのがなんともいえないけど、きっとすーごくたいせつにしてもらえるだろうから、落とし主さんもきっと本望だよね(←自分のブレスがこんな運命を辿ってるなんて知らないだろうけど!)



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奈良さんってね、やっぱり智さんとどこか似てるって感じたの。
まとう雰囲気はふわふわとやわらかいけれど、中身はとても骨太な感じがするところとか。
恥ずかしそうな笑顔で、自分の内面と対話しながら言葉を探してしゃべるところとか。
すごくシアワセな2時間だったなぁ.+:。(≧∇≦)゜.+:。
【2010年の今日はこんな日でした】

今日のオマケ。
デジカメ忘れた奈良さんが「ココに来る時に、なんかへんな骸骨の接骨院の看板見て撮りたいと思ったのに」って悔やんだ、その接骨院。たぶん、ココ。