あなたの声のするほうへ・・・

いちにちなんだかバタバタとして、やっとゆっくりとイヤホンでCD聴きながらPCに向かえてる・・・ってこんな時間だけど^^ゞ


今回のアルバム…智さん、ちょっと歌い方、違うよね?
これまでは、たっぷりと含ませた甘やかさから艶が滴るような声だったけど、
今回は、すごく引き算な感じがするの。
いろんな装飾品をぜんぶそぎ落とした、ヌードな歌声。
静寂の美しさ・・・。
「言葉より大切なもの」をレコーディングしたときに、アタマのとこ、あまり強くなり過ぎても違う感じがして微妙な強さを調節してたって言ってたみたいに、今回も甘やかすぎず、でも、さらりとしすぎず、絶妙の色香なんだよなぁ。


ソロ曲もね、あえて、甘やかさを抑えて湿度も少し低め。
前ならもっと情感こめて吐息を注ぐみたいに歌ってだろうってとこも、あえてさら、と。
最後だって、ダメ押しの高音フェイクでとどめ刺してくれそうなのにそれもなく、ふ…と消えてしまう。
だから、よけいに、待って待って!って追いかけたくなるの。


微かな残り香にココロを掻きまわされてしまうみたい。
控えめだからよけいに、歌ってる智さんの、ひら、と伏せられた睫毛だとか、す、と弧を描く指先だとかを想像してたまらなくなっちゃう。
幼子のように歌ってた次の瞬間にはひどく婀娜っぽく、時には“眠れぬ長い夜に”みたいな、ちょっと素の感じの混じった声に、惑わされっぱなし。
バックのフェイクも天女が空を舞って消えていくみたいで、もう・・・。


前にZEROでえみりちゃんがふくやままさはるにインタビューしたときに「倍音」ってことを言ってたの。
バイオリン奏者のえみりちゃんらしい気づきなんだけど、たとえば「ド」の音を出した時に耳に聴こえるのは「ド」って音なんだけど、聴こえないとこでいろんな音が混じってると音に深みが出る、みたいなこと。
で、ふくやまさんの歌声には、その「倍音」を感じる、って。
それ聞いてて、私、智さんの歌声にも、ものすごい倍数の周波数が含まれてるんじゃないかなって思ったの。
誰か、分析してくれたらいいのになぁ、智さんの歌声。きっと倍音、あるはず。
さらりと歌っても、一瞬で私の心を捉えて離さない、声。
智さんの声のするほうへと、追いかけて追いかけて・・・智さんの描く未来へ一緒に連れてってくれる声。大好き。
【2009年の今日はこんな日でした】