続続・忍びのつぶやき

ランダム感想覚書の続き…ちゃんとまとめようと思うとウソになるのでほんとにランダム^^ゞ

★海
ラストの海がとても綺麗なんだけど、ふと、気づく。
伊賀に海は、ないんじゃないかしらん・・・。
遥か向こうの伊勢の海が見えたって思うことにしてる^^ゞ

★怒り
無門の見る平兵衛は、下山砦の戦でも牢屋でも、北畠の城内でも、とにかく怒っていて。
最初は「なに怒ってんだよ」って言ってた無門。
「怒る」って感情は、すごく人間らしいもので、大切なものを蔑ろにされたり自分の尊厳を踏みにじられたり…人間らしいけど、すごく悲しい感情…そんなの、伊賀の忍びには無縁のもの。
怒り続けて、最期の最期に「人として」死んでいった平兵衛に「もう、怒るな」って言う無門は、怒ることの哀しみを知っている無門なんだよね。
そして、「人」になった無門は、平兵衛の怒りも一緒に抱えて、平兵衛のクナイで浄雲を刺す。 
哀しくて、腹立たしくて、やりきれなくて。いろんな想いがくちゃまぜになって宿ったその眼、スクリーンでは観れなかったその眼を、三太夫に憑依して正面から見たかったな。
ここで何度も書いているけど、「センゴクプー」で「お前を絶対に行かせたくない」って立ちはだかる風助を「大ちゃんすごくいい表情してるの、僕だけしか見れないのがもったいなくて」って雷蔵役の西ノ園さんが言ってたこと、「アマツカゼ」のときに松本まりかちゃんが「大野さんは目だけですべてを語れる役者さん」だと言ってたこと、思い出す。

★慟哭
お国に吹き矢がささった時の「ぅわぁぁぁああああ!」っていう無門の慟哭は、「バクマツバンプ―」で土方さんの遺体にすがる総司を思い出す。
もうDVDとか発売されることもないんだろうと思ってネタバレすると、蛮風は“新撰組は吸血鬼だった”っていう設定の物語で、大好きな近藤さんも土方さんも、バンパイアだから死ぬはずなかったのに殺られてしまった、そのときの、総司が浮かんでしまう。

★風助さん
無門って、あれから、風助になったんじゃないかな、って思うときがある。
センゴクプー」の風助は、元は伊賀の里の忍者を束ねていた腕利きで。織田に攻め入られた時に姫だけでなく里の民百姓も助けようと戦って、でも、助けた姫に「そんなに多くの血を流さずとも良かったのではないか」と言われてしまい、それから、刀を捨て“弁は剣よりも強し”をモットーにしゃもじと弁舌で刀を躱して生きていた人。
そして「センゴクプー」のエピソード0にあたる「アマツカゼ」の凪は、仇の腹心となって虎視眈々と復讐の時を狙っていたのが、風のようになりたいと願う虱(しらみ)と出会って、虱の想いを継いで、風のように生きていく道を選んだの。
伊賀の忍びだった昔の風助や、凪とは違う、もう1つの別の道を辿って、無門も風助さんになったんじゃないかなぁって。
ネズミと二人で、人の親として、持ちたかった家族を持って、お国を心の妻としてたまに息子に“母さん”のことをすごく美しかったってのろけたり、でもおっかなかったって苦笑いしたり、ささやかだけど幸せな毎日を送ったんだろなって。
原作とは違う終わり方だけど、好きだなぁってすごく思う。

★小茄子
「銭より大切なものが人にはあるのだ」と言った平兵衛の言葉のように、
一万貫の小茄子よりも、無門殿の命の方が大切だと思ったお国の、その想いが仇になってしまうんだよなぁ…。

★演出
中村監督はビジョンがしっかりしてるから、何か訊いてもすぐに明確に答えて下さるって智さんもさとみちゃんも言っていて。
細かいところまでびしっと演出する監督が、平楽寺で十二家評定が下忍たちに下知を伝えるシーンや、ラストに無門が「おのれらは、人間では、ない」と言って去っていくときの下忍たちの表情、おとぎ峠の「これだよ、これ」が肝になると思ってたこと、とか、そういうけっこう大事なところをあえて細かく指示せず役者さんたちに任せてる、その緩急が見事だなぁって。
下忍たちがみんなへへーって伏してるなかで無門だけは顔上げたまんまで十二家評定を迎えるとか、人間ではない、と無門に言われてハッとする人、なんも思わない人、何言ってやがるって人、さまざまだったりとか。
キャスティングした段階で、ほとんど仕事は終わってる、みたいなことを何かで監督が言ってらしたけど、感性を信じて委ねられる役者さんたちが揃っているってことだよねぇ。

★「これだよ、これ」
監督が肝だと思ってたという、このセリフよりも、
私はそれにつづくお国の「なんですか?」と
「ワシは伊賀一の忍びじゃ。死ぬわけがなかろうが!」が、もう、大好きで!
この言い方をする智さんの芝居が、大好きで!
めっちゃ嬉しそうに張り切って駆けてく無門が愛おしくって仕方ない。

★赤とんぼ
二度目の伊賀攻めのときって、大膳の背後にめっちゃ赤とんぼ飛んでて、
7月1日にクランクインした撮影の長さをしみじみ感じるよねぇ。


「もうないか!? もうないか!??」と考えたけど、うーーん。
なんか言い残してることあるような気もするけど、うーーーん。
とりあえず、こんなところでひとまずは!
【2016年の今日はこんな日でした】
【10年前の今日はこんな日でした】