談春師匠「忍びの国」噺+らくご(@広島アステールプラザ2017/6/20)

九州地方、雨が大変なことになってますね;;
みなさん大丈夫かなぁと、お顔を思い浮かべたり、お名前を思い浮かべたりしながら案じています。どうか被害が少なくてすみますように…。

ワクワク大阪から帰ってすぐに行った、談春師匠のトーク&落語の覚書メモ。
あのときには公開日前だったのに、あっという間に2週間以上経って、一気に忍びワールドに誘われてるけど、映画観たあとの方が思い返すことが増えました。
あぁこのことだったのか!この撮影の時に…!なんて。

なんせ2週間以上経ってるし、あのとき師匠に「そんなとこメモしなくていいから!(苦笑)」なんて何度も言われながら書いてたノートの字なんてほとんど解読できない状況なんで、記憶だよりの順不同の覚書だけど。


前半は、映画に関するトーク
スライドで、人物相関図とかスチール写真とか見せながら、涼しげな桜鼠色のお召し物の師匠が解説してくださる。

★撮影は昨年の7月1日〜10月1日。
千葉とかつくばとかで撮ったんですが「この、ハクション大魔王みたいなのが監督ですね」(爆) 
★監督と大野くんはふたりともぼーーーーっとしてて二人で隅っこの方でちょこっと話してる感じ。
★千葉の海っぺリの方の撮影で、待ち時間がすごく長くて。運動会のときみたいなテントの下にパイプ椅子並べて座ってて、自分が一番年上だし何か話さなきゃ!と思って、亮平君と大野くんに先代の円楽師匠の伝説とか話した。
笑点」で、いきなり「まず、二問目」って言ったことがある。さすがの木久扇師匠もおずおずと「あのぉ…1問目は?」って訊くしかなかった。
でも、それを聞いた大野くんも「・・・その週は1問目はなかったんですか?」って。
「意外に、打てば響かなかった」(師匠、お気持ちお察しします^^ゞ でも、そのうちこの雰囲気がクセになるはず!)
談春師匠の師匠・談志は実はすごく常識のある人で、常識のある天才は一気に非常識に跳べるけど、先代円楽師匠は常識なんて通じない人。熊本公演のときに天候不良で飛行機が福岡に着陸することになり、間に合わないと弟子たちは慌てたが、師匠は「スチュワーデスさん、パラシュートはありますか?」と平然と訊いていた・・・などなど割愛するけどあと2つくらいぶっとび武勇伝を。
智さん、会いたかったなぁ〜ってすごく笑ってたそう^^
で、次に亮平君が撮影に行き、帰ってきた満島君に「楽しそうでしたね、何話してたんですか?」って言われて、同じ話をもう一回、大野くんつきあって聞いてくれた。
★ほかにも、沖縄の方言で男性器のことを“タニ”って言うんだけど、巨人軍の沖縄キャンプの際に、移籍してきた谷選手への声援がすごくて(タニ、がんばれー!)首脳陣は首をかしげていた話、とか。そう、谷選手はヤワラちゃんのご主人なんで、ヤワラちゃんが“谷でも金”って言ったときは沖縄の人は大ウケだったとか。その話で沖縄出身の満島君は椅子から転げ落ちるくらい笑ってたそう^^

★このときの話をする智さんのコメント映像が流れる。「なんか、気づいたら2時間くらいずっとしゃべってましたね…」ふふ、素敵ー。.+:。(≧∇≦)゜.+:。♪

★その満島君のビジュアルは「忍びの国」というより、むしろカリブの海賊(←確かに!)
★亮平君と満島君が兄弟ででんでんさんが父親って、どんな人が奥さんだったんだろう(←確かに!)

★織田の人たちは、みんなそれぞれ心に屈折したものを持っている。
偉大な父を持った信雄、かつての主君を斬ってしまった大膳、大膳にかなわない左京亮…。

★対して、伊賀軍は「虎狼の族」。
百獣の王はライオンと言われてるけど、もし戦ったら虎の方が強いとも言われている。
ライオンはお腹が空かないと狩りをしないけど虎は遊び半分で獲物を襲ったりするんですって。そういうところも、伊賀の忍者に通じてるのかも。

★大野くんは、お世辞とかご機嫌伺いとかみたいなのはまったくない。嵐の人は、なぜかタメ語ですね、二宮君と話した時もそうだった…とおっしゃる師匠に、いやいや、その二人以外の嵐の人はきちんと敬語なんですよー;;と心の中で謝る^^ゞ でも、師匠はちっとも嫌そうじゃなかったので良かった^^
★知念君は若いのに、50のオジサンが背筋がのびるようなしっかりとした挨拶をされる。
ぴったんこカンカンでも言ってた、さとみちゃんとの共演シーンが全カットされたお話も。「この映画のお話がきたときに、石原さとみと共演できる!と思ってお受けしたんです」なんておっしゃってたよ、ふふ^^

★この映画のアクション…というか、時代劇では「立ち回り」と言うんですが、立ち回りがすごく新しい。舞のような…舞というよりダンスのような要素もある。
★時代劇なのに、すごく、自由。言葉も、今ふうでしょ? 「観ていただいたらわかるんですが、最初の方、私だけ浮いてるんです。いかにも時代劇!っていうセリフ回ししちゃってるから」
★でも、黒澤明が「七人の侍」撮った時にみんながみんなスゴイと言ったかというと、そうではないはず。半沢直樹、アップがやたら多いな、と思った人いるでしょ?撮影の仕方だって、どんどん時代とともに変わってくるもの。

「でもね、この先20年・30年時代劇というものが続いていくかどうかはわかりませんが、きっと、続いていくと思います。そうして20年・30年経ったときの時代劇の在り方の、この作品はパイオニアになる、そんな映画だと思います」

★平楽時のクライマックスのシーンの撮影のときの話。
朝、入って来た時から大野くんの纏ってる空気が違った。
仕事をしていると同じチームでも、準備が足りていない人もいれば、今日こそ見せ場だとヤル気になりすぎている人もいる。そういうときに人は自分の中の技の引き出しを開けようとするもの。
だけど、大野智という人は、その時のベストの無門であるために、与えられた仕事をただやるためだけに現場に入ってくる。何も言わないし、何も伝えない。ただ自分の仕事だけをきちんとやろうとしている。その空気は現場のすみずみにまでピリッと伝わっていく。自分は噺家なので、言葉で伝えようとしがちだけれど、そうじゃない。
とっても上等でとっても有効で、実はすごく難しい伝え方なんだなっていうのを、僕は大野くんから教わりました
このために、神様が僕にこの映画のご縁をくださったのかな、というのを感じました。

★最後に、映画のスチールカメラマンさんが、劇中シーンやメイキング場面などの写真をスライドショーにまとめてくださったものを流してくださったのだけど、本当に素敵な表情を切り取ってあって、こんなスタッフさんが創り上げる作品ならば、間違いないだろうって感じたの。
談春さんも、勝手に宣伝したくてこの会を企画して打診したっておっしゃってて(公開日がバッティングしちゃったけど、僕自身は「打倒!ぱいれーつおぶかりびあん!」って思ってます、とも…)こんなふうに、みんなが思い入れを持って愛してくれる作品に巡り合えて、シアワセだなぁとしみじみと思ったよ。

★そして、休憩をはさんで、お召し替えした師匠の落語。
「紺屋高尾」は、紺屋(染物屋)の若い職人が一度連れて行ってもらった吉原で花魁に一目ぼれして、一途に想い続けるお話。
安芸の国でお国に一目ぼれし伊賀に連れ帰った無門にちょっと通じるものがあるかも…ってことなんだろね。
初めての、ナマ落語。めちゃめちゃ面白くってすっごく惹きこまれちゃった。

以前、深夜にやっていた「噺家が闇夜にこそこそ」を毎週楽しみに観ていて談春師匠(MCだった)のファンになった我が家。
一緒に行ったダンナも、おもしろかったわー、談春の独演会行きたいし、映画もすごく観たくなったわーと申しておりました。

【2016年の今日はこんな日でした】
【10年前の今日はこんな日でした】