大統領の料理人

フランスでミッテラン大統領に仕えた女性料理人のお話。
劇場予告で見たお料理がとても美味しそうだったので、金曜レディスデーで観てきた。
実在する人物を描いているので、すごいドラマティックな事件が起こるわけでもなく、周りの不理解で解雇されて南極料理人になっている「現在」とエリゼ宮殿での「過去」が唐突に交錯する構成に、その都度、気持ちをリセットしなきゃいけないっていう作品だったんだけど。
そして、繊細で美しいお料理を創る女性や、すてきな雑貨が好きな女性が、かならずしも柔らかでふんわりしてるわけじゃないっつーかむしろ気丈な人が多いよね?っていう、常々思ってることをここでも実感。主人公、なかなかに背筋のピンと伸びた女性だった。
彼女の部下になった気弱そうな青年パティシエがぐんと頼もしくなったり、大統領からはとても信頼されたり、という、小さいけれど大きなプラスと、周囲の不理解っていう大きなマイナス。凍った彼女の心を時間をかけてあたたかく溶かしてくれたのは、極寒の南極基地だった。
南極から帰還する彼女が明日からどこに向かって歩き出すのか、なにもわからないまま終わってしまう映画なんだけど、きっと、毅然と顔をあげて歩いていくんだろうなぁ、と。そこにはあたたかな光があるといいなぁと思って映画館を出た。
あ、フランス語なのでね、「bon appétit」ってセリフが出ると、つくばのパン屋さんの智の「ぼなぺち〜」を思い出してにやけたわぁ^^