ちょこっと「美術手帖」

先日届いたままになってた「美術手帖」、やっとゆっくり読めたの^^


本を手に取ると、2年前に智さんが載ったときのこと、思い出す。
次号に6ページ特集で載るってわかったときに“すごく高価だけどどんな本なんだろう…”って紀伊国屋に事前偵察に行ってみたの。
で、“まさに手帖サイズ”のちっちゃさに驚愕したよなぁ…(苦笑)
でも、中身はぎゅぎゅっと濃くて、こんな専門的な雑誌に智さん、載るんだぁ…ってとっても感慨深かったっけ。


 

その、ちっちゃな美術手帖の、シンプルな表紙にどーん!って書かれた「奈良美智〜いつでも旅の途中」の文字と森子ちゃん。
奈良さんの絵は昔から好きだったけど、ほんの2年前くらいまで“なら・みち”さんって女性だと思ってたの。
それが、こんなふうに、名前を見るだけで、あぁ…って胸に迫ってくるようになるなんて、ね。
「いつでも旅の途中」ってフレーズが「♪僕はまだ旅の途中…」って歌詞とリンクして、そんなとこすらなんだか胸が騒いだりするなんて、ね。


グラビアページでは、普通の作品写真だけじゃなくて、ものすごく寄ったものも多くて、
直接展示会に行けない身にはすごく嬉しかったの。
全体の印象もさることながら、やっぱり、質感ってすごく大きい要素だと思うからさ。
無機質の素材なのに、ひび割れや粗い稜線とかからあったかい「いのち」が感じられるんだね。
智さんが、近くで、見て、触れていたのはこんな感じだったのかぁ…って、ちょっとだけ想像の中で感触を疑似体験できたみたいで・・・^^


奈良さんのインタビュー記事は、なんだか“ココ!”“あ、ここもだ^^”って、
これが参考書なら蛍光マーカーで線引きたくなるようなとこがたっくさん。
・・・智さんと、びっくりするくらい、似てるんだもん。
私が、こんな辺境ニッキに書いた気持ちに共感の拍手もらえるだけで毎日とってもうれしいのに、
話せば話すほど、知れば知るほど、“僕もおんなじ!”ってどんどんどんどん嬉しくなっていくんだろうな、智さん^^


前にも書いたことあるけど、智さんって、心の垣根が低いっていうか。
肩書きとか社会的地位とか。性別とか年齢とか。・・・そんな「外枠」なんてひょいってカンタンに飛び越えて、
ココロとココロ、むしろsoulとsoulの部分でお話のできる人だと思うから。
奈良さんとの出会いも、「運命」なんて言葉、そう簡単に言えないけれど、きっと、そんな感じなんだろうなって^^


智さんとの対談も。
インタビューでは、一人の人間としての考えやアーティストとしての在り方を、自分に確かめるみたいに語ってた奈良さんが、
智さんと話す時には、一転して、やわらかな光を注ぐみたいになってて。
いろんなこと教えたい、彼の才能や想いを大切にして伸びていくのを近くで見ていたい・・・って、お兄ちゃんのようなセンセイのようなあったかなまなざしが感じられて。
なんかね、にこにこしてる太陽と、まっすぐに太陽の方を向いてぐんぐん伸びてくひまわり、みたいなカンジ?
そんでね、そんな奈良さんに、一方的に与えてもらってるんじゃなくて、
智さんもまた、智さんのお仕事や人となりで奈良さんの刺激になってたりプラスになってたりしてるのが感じられて。

私ね、これ読んで、なんだか、安心、したの。 あ、大丈夫なんだ…って。
奈良さんが、ついったーとかであまりに無邪気に無防備につぶやいてるから、ほんとはシンパイ・・・って、前に書いたことあったけど。
本当は、もう1つ、心配で。


昔から、奈良さんの作品が好きだった世界中のファンの皆さんは、どう思ってるのかなって。
人柄まで深く知ってるファンは、ひょっとしてそんなでもないのかもしれないけれど、
普通に奈良さんのアートを好きなファンにとっては
“急激にアイドルなんかにうつつぬかしてナニやってんの”とか
“前のBlogもツイッターも「いかにもそいつのファンです」みたいなのがうじゃうじゃと“俄か奈良ファン”みたいに出張ってきてて、それってどうなの”とか・・・苦々しく思われていないかなぁって。


でも、今回の対談の二人の会話を読んだら、“ちゃらちゃらしたアイドルに懐かれて嬉しくなっちゃってる”って感じじゃ、全然ないんだなって、ちゃんと思ってもらえるんじゃないかなって。
「世界の奈良」のファンの方々にも、ちゃんと認めてもらえるんじゃないかなって。


そして、奈良さんも智さんも。
こっちが“無防備なツイッターで傷つく日が来ませんように…”とか“奈良さんの昔からのファンに苦々しく思われてるんじゃなかな”とか、あれこれ思ってるのなんて、杞憂にすぎないって。
そんなん、全然たいしたことじゃないくらいに、剛くて深くてでっかかったんだよなーって。
子どもみたいなキラキラわくわくした目で、時にアーティストの顔で、すっごく楽しそうにお話してる二人を見て、あらためて、そう思ったの。


美術手帖」、すごく良かった。
手元に置いて、何度も読み返したいな^^
【2009年の今日はこんな日でした】